【トラックと環境問題】 各国別の排出ガス規制
【トラックと環境問題】 各国別の排出ガス規制
皆さんこんにちは! 4月に新入社員として入社いたしました、カノンです。
今月は【トラックと環境問題】というテーマで様々なニュースを取り上げました。
今回はシリーズ最終回、「各国別の排出ガス規制」について詳しく紹介していきます!
まず、排出ガス規制について。これは、車のエンジンから排出されるガスに含まれる一酸化炭素(CO)や窒素酸化物(NOx)などの有害物質量に対する規制のことです。
<日本の排出ガス規制>
日本の排出ガス規制は、大きく3種類に分けられます。
「単体規制」… 一定条件の下で排ガス濃度を測定して、基準を満たさない車両は新車登録を行わない。
「車種規制」… 一定条件下における排ガス濃度測定値が基準を満たしていない車両は、新車登録・移転登録・継続登録が禁止。
「運行規制」… 排ガス性能の基準を満たしていない車の運行は対象地域で禁止する手法のこと。
<各国の排出ガス規制>
では、日本以外の国々ではどのような規制を行っているのでしょうか?
【インド】
インドの排出ガス規制は、EUの排出ガス基準に基づいています。これらの基準は「Bharat Stage」と呼び、BS-IからBS-VIまでの段階があります。BS-VIは2020年4月1日から施行されており、欧州のEuro 6規制と同等です。インドは2024年、人口が世界一位になりました。経済活動が活発になり、今後も排出ガス規制が厳しくなるのは間違いないでしょう。
【アメリカ合衆国】
バイデン政権は気候変動対策を最優先課題の一つに掲げています。米国環境保護庁(EPA)は、2023年4月に温室効果ガス(GHG)と大気汚染物質の排出基準に関する規制案「2027年モデル以降のLDVとMDVに対する複数の汚染物質排出基準」を発表しました。同年、バイデン政権は自動車の二酸化炭素の排出基準量を2027年から段階的に厳しくし、2032年までに排出量を2026年と比べて56%削減する規制案を発表しました。この規制によって、EV(電気自動車)普及が進むでしょう。
【EU】
EUでは適応時期は未定ですが、大気汚染への対策としてユーロ7(Euro7)という自動車の排出基準を設けています。今までの規制は、1992年の「ユーロ1」から始まり、2014年から現在の「ユーロ6」が適用されています。今後のユーロ7では、路上排出ガス試験の対象となる運転条件の範囲が拡大されました。例えば、最高45℃の気温や、短距離移動なども試験の対象に含まれるようになります。トラックやバスなど大型車両からの排出ガス、N2O(亜酸化窒素)の排出など今まで規制されていない汚染物質も制限に追加されました。
また、ユーロ7は、ブレーキ・タイヤなど排出管以外からの排出物を規制する世界初の意欲的な排出基準でもあります。この排出ガス基準は世界で最も厳しいレベルといわれています。
<まとめ>
各国では、本格的に排出ガス規制を設定し大気汚染問題に取り組んでいます。今後はEVがますます普及することは間違いないと言っても過言ではないでしょう。車の買い替えを考えている人は、EVも視野に入れてみてはいかがでしょうか。6月のZEALコラムはカノンとノミが担当しました。次回もお楽しみに!
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